自動車チップの在庫切れ問題がエスカレート

自動車チップの在庫切れという問題は自動車産業の発展に深刻な影響を及ぼしている。

中国乗用車協会のデータによると、3月の最初の3週間で、中国の自動車小売販売台数は前年同期比でそれぞれ2.2%、2.0%、5.3%増加したが、卸売り販売台数は前年同期比でそれぞれは4%、-1%、- 8%となった。

自動車の小売販売は毎週増加する傾向があるが、卸売り販売は毎週減少する傾向があるのは、自動車メーカーがチップ不足で減産に追い込まれていることを示している。
 
NIOは3月26日に、「半導体チップの不足により、2021年3月29日から5日間、合肥江淮自働車工場の生産を一時停止する」と発表した。自動車チップの在庫切れ問題がエスカレート。

自動車産業の「新四化」の急速な進展に伴い、自動車用チップの需要は爆発に成長を遂げた。マイクロコンピュータ、パワー半導体、センサー、メモリなど、さまざまな自動車用チップの需要もピークシーズンに入った。中国自動車工程学会は、2025年と2030年に中国ローカルで販売される新車のネット接続率がそれぞれ80％と100％に達し、ネット接続された自動車の販売規模はそれぞれ2800万台と3800万台に達すると予測している。
 
『自動車人』は、自動車チップの在庫切れ問題を何度も報告している。新型コロナウイルスが発生した後、自動車メーカーが市場の需要を誤って推定したため、チップの受注を削減したことが原因だった。2020年後半、自動車メーカーが旺盛ニーズに気づいて受注に乗り出したとき、チップ生産のスケジュールは消費電気や家電製品に先回りしていた。

チップ業界全体の生産能力が不足しているため、チップメーカーは高技術・高プレミアム製品を優先に製造し、成熟しているが利益率の低い製品を圧迫しているため、自動車用チップの生産能力を奪われている。

また、日本はチップの重要供給国である日本では、2021年以降に地震が発生し、主要チップの生産能力が低下し、工場が閉鎖される事態が相次いでいる。世界のチップ産業における生産能力不足の問題は悪化している。
世界中に、半導体の不足もチップ価格をさらに上昇させた。TSMCは2021年末から顧客への優遇注文をキャンセルすると発表した。SMICSは4月1日から全面に価格を引き上げた。

完成車メーカーにとっては、チップ不足はハイエンドモデル大きな影響を与えるが、ローエンドおよびミッドレンジモデルへの影響は小さくなる。GM、Volkswagen、Fordの中高級車種の一部が相次いで減産または一時生産中止に入った。

データによると、チップ不足は自動車、特に中高級車の生産能力に影響を及ぼし、自動車会社の売上高と財務実績に影響を及ぼしている。しかし、中長期からみると、チップの不足により、自動車産業にとってのチップの重要性が認識されており、自動車チップ産業の発展を加速させることが不可欠だ。（自動車人/張恒）

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