4月12日、訪米中の日本の岸田文雄首相は、TOYOTAが米国のノースカロライナ州における建設されているTOYOTA電池工場を見学した。将来、同工場は電池回収および再利用プロジェクトに生産を開始する予定である。
4月8日、TOYOTAは中国の五鉱集団と将来に電池回収技術を共同開発し、最速で生産を開始することについて合意したと発表した。
中米2大市場で同時に推進する車載電池の回収・再利用事業は、TOYOTAの将来の事業により多くの可能性を切り開く。
TOYOTAはエネルギー回収分野で早くから始め、一定の技術基盤と応用経験を持っている。2010年、TOYOTAはフランスの電池回収会社SNAMと提携し、2000年以降に販売されたハイブリッドモデルに装備されていた電池を処分したことがある。
今、TOYOTAは中国でも独自の電池回収ニーズがある。最新のデータによると、TOYOTAが合弁会社のFAWTOYOTAを通じて中国で販売したピュアEVセダン「bZ3」は、2024年3月単月の販売台数が5697台に達し、第1四半期の累計販売台数が約1万台に達した。その他のピュアEVモデルと膨大な在庫量のハイブリッドモデルを合わせ含めると、TOYOTAの自社製品で将来のに発生する廃電池の量はかなり大したものである。
現在、中国の電池回収事業には大きな不足がある。中国自動車技術研究センターの推計によると、2025年までに中国の廃棄される動力電池の総量は116GWh、約78万トンに達する。中国では156社のホワイトリスト企業がリチウムイオン電池のカスケード利用と回収・解体事業に参加しており、これらの企業の総名目生産能力は年間379.3万トンである。しかし、これらの回収企業の生産能力利用率はわずか16.4%であり、業界予想の50%を大きく下回っている。
電池の可遡及性の困難と物流の滞りは、中国の現在のリチウム電池回収産業の2つの難病である。五鉱とTOYOTAの連携は、TOYOTAの技術と経験の面での優位性を参考にすることができる一方、TOYOTAの中国、さらには将来の世界における物流ネットワークを利用することができ、廃電池および回収完成品の効率のな流通に役立つ。中国のリチウム電池回収産業はまだ完全に形作られていないが、電池廃棄の波はすでに始まっており、五鉱とTOYOTAの提携はちょうどその時を迎えている。
同時に、TOYOTAの米国における新しい電池工場も回収事業に関わる。TOYOTAが選んだパートナーは、米国の電池材料スタートアップ企業Redwood Materialsである。TOYOTAは北米でCirba Solutionsという電池回収を担当するパートナーもあり、TOYOTAの米国中西部と東海岸地域における廃棄するリチウム電池の収集、輸送、解体、処理を担当する。
現在、TOYOTAの北米におけるケンタッキー工場と2025年に生産開始予定のノースカロライナ工場は将来北米地域における電池供給を担当するとともに、パートナーと電池の回収・再利用チェーンを共同で構築する。計画によると、TOYOTAは2030年に電池生産能力を年間280GWhに引き上げ、米国における電池生産ラインも10本を突破する可能性が高い。
世界の脱炭素化と地元の環境保護の二重のニーズの下で、各国政府は動力電池の回収処理などの産業に対して様々な程度の支援と経済の援助を行っており、これもTOYOTAとその他の企業が関連産業の配置を加速する原動力の一つである。
中国の五鉱も米国のRedwood Materials、Cirba Solutionsも、パートナーを選ぶTOYOTAの眼力は大変優れ、所在国の国情とニーズに合っている。電池回収事業をグローバルに配置することで、今や「世界第一」のTOYOTAは確かに道をより広く切り開いていく。(自動車人/麦可)
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