自動車人/特別寄稿者 劉蔵漪
三島由紀夫の著書である「インドの印象」にはバングラデシュの首都であるダッカを描いた内容がある。貧困でさえ色鮮やかだ。ダッカでは、最も脆弱な傘の1本まではすべて花を描いているという。
クルマづくりの新勢力メーカーの書簡にも、前述のシーンに近いものはある。かつて嘘でもカラフルであり、それに匹敵するものなかった。2015年から大衆の視野に入り、アピールを重ねてきた自動車メーカーの新勢力が、わずか2000日未満で、士気高騰の様子から秋のセミに変わった。残念のことながら、今年はこれら自動車メーカー新勢力の経営破綻の年ではと思われる。
昨年7月20日、北京第4環状線の国立競技場(鳥の巣)で、華灯が点灯し、業界の重役が集まり、賽麟汽車の発表会がまるで盛大なパーティーのように行われた。その後、賽麟汽車は世界的に影響力を持つ「トップレベルのスポーツメーカー」と変身し、約20年前に誕生した赛麟S7が「神様の愛車」として注目が集まった。
わずか1年で、江蘇省赛麟汽車科技有限公司は、キャッシュフローが途切れ、銀行口座がサプライヤーによって凍結され、資産が裁判所によって押収され、1000人以上の従業員の賃金が滞納され、上海オフィスの家賃を支払い続けることさえもできないことが分かった。この記事を完成した時点では、同社が上海にあるオフィスはすでに閉じてしまった。
赛麟汽車と同様、苦境に陥ったのが拜謄汽車だ。
6月30日、拜謄汽車は中国エリアの全従業員に対して操業停止の通知書を配信した。 7月1日から、中国本土にあるすべて関連会社が操業を停止し、すべての従業員も業務を停止し、待機させるという。 これは、2020年末までに、拜謄汽車の従業員が操業停止による失業状態に直面せざるを得ないくなるなることだ。
昨年の米国CES展では、拜謄汽車はロードマップにある初の量産車であるM-Byteを発表。半年前、戴雷氏は2020年中に、正式に生産を開始すると述べた。今になって、明らかに、水の泡になってしまう話だ。現時点では、拜謄汽車の南京工場は水道光熱費の支払いが滞納しており、オフィスからも撤退した。
博郡汽車も拜謄汽車の醜い兄弟に例えても、過言ではない。 博郡汽車の最高経営責任者(CEO)である黄希鳴氏は、同社が深刻な経営難に陥っており、実際には完成車製造計画を断念したと述べた。
離職清算契約も複数のバージョンを重ねてきた前途汽車が今日になってもその契約を履行できていない。同社は中国の電気スポーツカーの先駆者として位置付けており、中国国家発展改革委員会(NDRC)から新規立ち上げの電気自動車メーカー資格3番目を取得した企業だった。だが、目下、同社の従業員が自ら結成した複数の「賃金返還要請チャットグループ」は、賃金滞納の事実をさらに証明している。
2015年以降、約50社が「インターネット+電気」という旗を振り、新興自動車メーカーが自動車業界に参入した。しかし、中国自動車流通協会の月次データによると、2000日足らずで、新車生産と販売を継続しているのがわずかな8社しか残っていない。 (NIO、理想、威馬、小鵬、合衆、新特、国機智駿、領途)。
中国自動車工業会によると、今年最初の5ヶ月間では、新エネルギー車の生産と販売はそれぞれ29万5000台と28万9000台、前年同期比39.7%と38.7%減少した。新エネルギー車市場で販売台数がかつてないほど低下した。クルマづくりのブームが冷却することで、多くの投資家がより理性的になり、これら自動車メーカー新勢力の資金調達がますます困難になっていく。
相次いで経営破綻したこれら自動車メーカーは従業員、株主、サプライヤー、地方政府とパートナーには、多大な損失と悪影響を及ぼす。彼らが目立つ今頃、伝統的な自動車メーカーにいる方は、クルマづくりが一連のラインからなる生産工程であり、お金さえを持っていれば、参入できる領域ではなく、上流と下流の産業チェーンなしに、数百億人民元を投資しても、水切りをしただけだと大胆に暴露した。
