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「富岳」がトップに躍進 日系企業が計算能力の競争に再参入

自動車人 2020-07-08 21:00:00 著者:黄耀鵬

自動車人/黄耀鵬

2010年以前、スーパーコンピューター分野では、日米が競争する様子が露呈し、その後、米中の競争が続いた。スパコンラインキングTOP500 (年2回更新)では、中国のものが226点、シェア45%、米国が113点、シェア22.8%、残りのシェアは日仏独などの国々で分割されている。

しかし、今年6月末のランキングでは、富士通と日本理化学研究所が共同開発した「富岳」が優勝し、浮動小数点演算力が元王者の米国スパコン「サミット」の2.8倍に達した。 また、演算方法シミュレーション、AI学習性能、ビッグデータ処理など4つの性能ブロックで1位を獲得した。
 

2011年に優勝した「京」に続き、9年ぶりに再びトップに躍り出た「富岳」。日本がスーパーコンピューターの競争から脱落していないことを示している。

従来のスーパーコンピューター大国として、日本はこれまで通り、スパコンの電力消費量が特別な優位性を持っている。アーキテクチャでは、富岳も中国の太湖之光もCPUのみを使用した「同種」アーキテクチャーを採用しており、米国で一般的に使用されている CPU + GPU の異種計算とは異なる。中国と日本は、米国の技術制約を回避するために、インテルとNVIDIAのチップの使用を一貫して避けた。 「富岳」は、ARM命令セットチップを率先して使用し、同じ配慮があるからだと思われる。

「富岳」の台頭は、ユニークな技術優位性を示し、スパコン領域は再び、中米日3ヵ国の競争に戻るではとの見方がある。

しかし、スパコンは3年~4年もわたる長い時間で開発サイクルが回る。現在、中米欧はともに新しいアーキテクチャを使用したEレベルのスパコンに注力して研究開発を行っているため、現在、次のスパコンにおける競争ピークがやってくる前の「休憩期間」だと思われる。 「富岳」がリード位置に立つのは、「長期的な存在」という日本メディアの認識と異なるかもしれない。

単に企業運用レベルでは、技術回避上の配慮はさほど多くない。「富岳」がNVIDIA製チップの使用を回避したのとは異なり、トヨタはNVIDIAと緊密に協力している。NVIDIAはクラウドコンピューティングと車載コンピューティング両方のプラットフォームプロバイダーとして自動運転の分野で計算能力を覇権する目標を夢として従来から持っている。
 

現在、自動運転技術は低迷しているが、自動車企業のコアコンピタンスは、スケール生産とサプライチェーン管理から、車載コンピューティングとクラウドコンピューティングへとシフトしつつある。この傾向は変わるものではなく、実現経路が不明確のままだ。

昨年、トヨタは正式にNVIDIA製スパコンの最初の顧客となった。 NVIDIA製スパコンを使用したサーバー上では、トヨタが独自の「Guardian」(保護者システム)をデプロイメントした。 現在、当該システムはバックグランドで「シャドウラン」している。

トヨタは、高度自動運転ソフトが人間によるプログラム作成ではなく、データによって駆動されると強調。トヨタの強みはこれまで世界中にある既存製品にある。これはTRIがAIにはほぼ無限のデータリソースを「供給」できることを意味する。

「富岳」に代表される大規模なスパコンが現在の水準に発展し、日本企業はAIトレーニングにおいてブレークスルーの機会が見えてきた。
 

境界線がはっきりとしたタスクはAIにとって簡単だ。自動運転は、多くの場合、予期できない入力条件に遭遇し、AI自身の混乱が引き起こされる。 これは、多くの先進した自動運転プロジェクトが着地に遅れている理由だ。 データが新しい石油だとたとえた場合、このデジタルオイルの製錬技術はまだまだ原始的なのだ。

しかし、限られた条件では、スパコンはすでに「枚挙」を実現した。つまり、NVIDIAが追求したコンピューティング電力消費量ではなく、これまでにない強力なコンピューティング能力をもつスパコンをバックグランドのシステムにデプロイメントする必要がある。

「富岳」の誕生はトヨタのような企業が実用的なクラウドコンピューティングを早期に運用する可能性を与えた。同時に、NVIDIAがクラウドと車載におけるコンピューティングを制覇する野望は弱体化する可能性もある。

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