自動車人/張恒
2020年下半期に入り、自動車市場は良いスタートを切った。 7月2日の夜から3日にかけて、米国株式市場、A株市場、香港株市場における完成車メーカーの株価が急騰し、自動車セクターの動きが異常に注目を集めた。
7月2日夜、ダウ・ジョーンズとナスダックはそれぞれ0.36%、0.52%上昇した。 中国概念株は他より上昇幅がよく、スノーボール30指数（US:ICS30）は2.6%上昇した。 蔚来汽車（NIO）の株価は18.58%上昇し、終値が9.38ドルとなり、時価総額が一挙に100億ドルを突破した。
テスラは同日7.95%上昇し、1208.66ドルで取引を終え、時価総額で世界トップの自動車メーカーの座に落ち着いた。これに対して、3月18日当時、テストの株価は年内の底につき、350ドルだった。
香港H株は、米国株よりもクレイジーだ。7月3日のH株自動車セクターは7.37%高。このうち、BYDは13.55%高の67.9香港ドル、華晨中国は12.82%高の8.27香港ドル、吉利汽車は12.56%高の14.16香港ドルとなった。 また、広州汽車集団、長城汽車、東風集団と北京汽車のいずれも3~5%上昇した。
A株市場のおいて、自動車セクターが3.1%上昇し、業界別の7位となった。 このうち、BYDとFAWがストップ高。長安汽車が9.38%高、金杯汽車が9.14%高、江鈴汽車が5.32%高、夏利汽車が4.99%高となった。また、長城汽車、江淮汽車、上海汽車集団、宇通客車はいずれも4%以上上昇した。
新型コロナウィルスの流行以来、自動車セクターは何回か全体に株価の上昇があったが、7月3日ほど上昇したのは今年に入ってから初めてだ。
資金の流れから見ると、6月29日から7月3日までの1週間で、北上資本の純購入額は288億6200万元で、前週(6月第4週)の47億9100万元より6倍も増加。 北上資本が株式を保有している比率は1年近くぶりの高水準となった。 このうち、自動車産業の株の保有比率も1年ぶりの高水準を記録した。 すなわち、新型コロナウィルスの流行前に比べ、外資がより多く中国の自動車産業株式を保有していることだ。
6月の自動車市場は好調が続く。中国自動車協会は6月の卸売販売が前年同期比11%上昇し、自動車市場は2桁の成長が続くと予測した。 市場が急速に回復していることで、多くの投資家の疑念を緩和させ、自動車セクター、特に自動車メーカーのバリュエーションが全般的に低いため、大量の資本流入を引き起こしたとみられる。
商用車市場は「成長する一方だ」。トラック市場において、かつて、2018年6月のうち、11万2000台が販売され、例年の6月の販売台数ピークを記録したが、2020年6月現在、販売台数が16万5000台に達し、過去のピークよりも5万3000台が多く、50%近く増加した。 今年上半期のトラックの販売台数は81万台で、前年同期比23%増となり、年始の業界予想を上回った。
7月3日、中国重汽のH株は6.65%上昇し、株価が22.45香港ドルに達したが、今年の3月の株価が年内最低の10.58香港ドルにとどまった。 このことから、新型コロナウィルスの感染拡大の3月では、人々の予測がどれほど悲観的だったかがわかる。しかし現実が違う。また、A株市場では、FAWがストップ高となったのも一例だ。
自動車株、特に完成車メーカーの株価は、自動車業界に対する市場の見通しを反映して、長い間弱い立場にあった。 7月3日、自動車業界は3つの株式市場ではともに、異例の動きを示し、A株とH株は年始以来、1日のうち、最大の上昇幅を記録した。これは、投資家が自動車産業に対する自信を立て直し、自動車市場の回復がより確実性の高いものだと示している。
中国の自動車市場はすでに暗い時期を乗り越え、期待される下期を迎えるだろう。
