自動車人/麦可
三菱自動車は撤退しない
今月に開催された三菱自動車の株主総会では、三菱自動車の加藤隆雄最高経営責任者(CEO)が、三菱自動車の事業関連と今後の計画について説明した。 三菱の中国での今後の計画については、『自動車人』も三菱自動車当局に連絡しており、三菱自動車は限られた資源を有効活用しながら、構造改革による固定費削減を最優先の課題とし、各国における事業の収益性向上を図ると確認した。 具体的な実施戦略はまだ検討中だが、中国事業につきまして、既存のパートナーと引き続き協力し、将来の事業を展開するという。
一言で言えば、三菱自動車は中国から撤退せず、撤退に関する噂が誤って解釈されているものだ。
世界最大の自動車消費国である中国は、大手多国籍自動車メーカーが無視できない重要な市場だ。 中国の自動車市場は、マクロ経済の成長が緩みになることや中国の消費者需要の減少により、痛みを経験していながら、2019年には販売台数が2577万台に達し、世界の自動車消費量の29%を占め、米国や日本をはるかに上回っている。中国市場を救い藁にし、回復軌道に乗った伝統的な自動車産業の大手が一社だけではない。このうち、直接「China First」の旗を振って市場を耕す企業もある。
三菱自動車は、中国でのSUV製品を主力とし、広汽グループと手を携えて、逸品路線を歩んでいる。中国市場のニーズを前向きに応え、構造改革を通じて資源を有効活用し、体系的なコストを削減し、利益率を高めることが必ず歩まなければならない進路だ。スズキが過去に歩んだ道に足を踏み入れることが、現時点では明らかに不可能だ。
広汽三菱の成長が着実
2012年、三菱自動車は広汽グループと合弁会社である広汽三菱汽車（GMMC）を設立した。同社の事業は三菱ブランドの輸入車や中国国内で自動車の生産・販売に及ぶ。 7年以上の開拓を踏まえ、広州三菱汽車は現在、すでに欧藍徳（Outlander）、勁炫（AXS）、奕歌（Eclipse Cross）、帕傑羅（Pajero）、など製品ラインナップを所有しており、このうち、中国で評判が高く、ホットするシリーズも少なくない。 中国における三菱自動車のコアパートナーとして、広汽三菱汽車は設立して以来、勢いよく成長を持続し、2017年に三菱のグローバル市場における販売台数の第1位に躍り出た。 2020年第1四半期には、広州三菱汽車は、他の自動車メーカーと同様に、特別な時期及び環境などの影響を受け、販売台数が減少したが、5月には、中国全土で新型コロナウィルスの感染拡大が抑え込まれるにつれて、販売台数も大幅に回復し、単月に7001台、前月比40.2%の増加となった。
広汽グループ傘下の一員として、広州三菱汽車は産業チェーン体系の改善に取り込んでいる。 「R&D、製造、販売サービス」の三位一体とし、エンジン工場とR&Dセンターを２つの翼としている。広汽三菱汽車のエンジン工場はすでに2018年に竣工し、稼働を開始した。R&Dセンターも2021年に納入され、実稼働に入る予定。完結した産業チェーンが確立されつつある現在、三菱自動車が中国から撤退するのはナンセンスだ。
三菱自動車との公式コミュニケーションによる情報や、広汽三菱汽車の現在の事業状況の分析では、三菱自動車が中国における基本的な戦略展開は変化していないことがわかる。 広汽グループと手を携えて、産業構造を最適化し、製品の市場競争力を向上させ、利益率を高めることは、現在、より信頼性の高い解釈だ。
百年の歴史も持つブランドとして、三菱自動車は今後の成長と革新が中国市場と密接に関連するが、短時間のうちに、乗用車消費国世界第1位における業務をカットするのは、賢明でもなく、事実上も不可能だと思われる。
