タイトル：「代行生産」は順に緩和されるが、受益者は「新勢力」ではない

メディア：汽車人/ 呉毓
 
全国人民代表大会及び全国政治協商会議の「部長チャンネル」で、中国工業・情報化部の苗圩部長は、「放管服」（権限の委譲とサービス向上）の改革を推進し、新エネルギー車の代行生産を順に緩和することを発表しました。
 
この声明は短いものですが、新エネルギー産業の健全な発展に対する中国政府の関心を表しており、「代行生産」モデルへのサポートを明らかにして、自動車生産の供給側の改革を重視するとともに慎重さを強調し、さらに自動車業界において思考を広げ、拘束を打破するように提唱しています。
 
「新エネルギー車の代行生産を順に緩和する」とは、まだ生産能力を形成していない自動車製造の「新勢力」を指しているようですが、実際の運用面では、受益者グループは必然的にシステム力、ブランド力、研究開発力を備えた企業になるはずです。
 
中国で自動車を製造する場合、国家発展改革委員会の承認基準と工業・情報化部の第39号部令は、回避できない2つの「障壁」です。前者は「新造の純電気乗用車企業管理規定」、後者は「新エネルギー車生産企業及び製品参入管理規定」です。
 
ドアが閉じられ、ロックされ、鍵も捨てられたかのように、新たな参入者は新エネルギー車へ進むしか道がなく、参入基準と第39号部令の前の「出発点」に戻り、新エネルギー車を製造する資格を得るために、前述の2つの規定を満たさなければなりません。BYTON社(バイトン 中国名:拝騰)はその希少な資格を取得するために一汽華利の買収に投資しました。
 
テスラの最初の車がラインオフされて以来、自動化の追求により生産ライン全体の生産効率が低下したと批判する声もありますが、イーロン・マスクは何も惜しむことなく、プロセスの最適化と生産効率の向上に向けた努力を一度も中断していません。テスラからのデータによると、最新モデルのモデルYは電動化が飛躍的に向上し、車内のセンサーハーネスの長さが元の3000メートルから100メートルに短縮されました。
 
ミクロ経済学における規模経済では、単位生産のコストは規模の拡大とともに低下し、企業はコスト上の優位性を得ることができます。現代の製造業界において、コストの最適化の方向は、規模の拡大とサプライチェーンの短縮に限らず、モジュール化と集積化を追求する方向に常に加速しています。
 
同じ代行生産でも、OEMには設計、ブランド、チャネルがありません。委託側が派遣するプロセス、品質管理のスペシャリストに依存して、生産とプロセス能力を向上させて、製品の品質を保証します。 Foxconn(フォックスコン)はアップルのOEMであり、OEMの代金が支払われるだけでなく、「Appleの製造業者」という裏書きを有し、アップルと協同で金型を開発するなどして、経験値を向上させています。しかしながら、これらはアップルのブランドの優位性と先行テクノロジーを前提にしたものです。
 
ODMには研究開発と設計およびプロセス保証の能力がありますが、製品の品質は完全にそれに依存しており、委託側は「運任せ」モードを開放するしかありません。家電業界では、特に小型家電の分野で同様の委託生産が数多くあります。規模の経済性が伝わるため、利益はわずかでも、サプライチェーンのすべての関係者が利益を得ることができます。
 
生産能力から見ると、「生産能力欠乏」にあって「新勢力」は、代行生産の必然的な受益者のようです。しかし、代行生産の本質から見ると、ブランド、テクノロジー、システムなどの面で優位にある企業のみが自信を持って生産を「アウトソーシング」し、得意とする高価値のサプライチェーンに限られたリソースを集中できます。
 
実力から見ると、「新勢力」は市場に参入したばかりで、ブランドがまだ認知されておらず、製品に対する口コミも形成されていないので、魅力的な供給契約を作り出すことは困難です。 代行者にとっては、生産能力が占有され、お金がチャリンと鳴る実益もなく、自慢できるバックグラウンドもありません......このような協力関係を長期間継続することは困難です。