タイトル：海南自由貿易港による新エネルギーへの転機

メディア：汽車人/張敏
 
全国人民代表大会と中国人民政治協商会議の後、中国共産党中央委員会と国務院は、「海南自由貿易港建設の全体計画」を発表しました。これにより、貿易、投資、資本、人材、輸送の5つの主要分野における自由と円滑化の促進と、国際競争力のある税務政策が発表されました。
 
「計画」は、新エネルギー車に代表される先進的な製造業の開発に取り組み、課税政策と自由貿易の面で支援することを明確に述べています。 この目的のために、海南省については付加価値が30％を超える新エネルギー車製品の内地進出に対して関税を免除する輸入原産地政策を実施し、その過程で関連する生産設備の輸入に対してゼロ関税政策を実施し、島内で使用される輸入用車両などを含む営業用交通機関の島内への輸入に対して「ポジティブリスト」制度下の「ゼロ関税」政策を実施します。
 
専門家は、「計画」の実施後、海南で新エネルギー車を生産するコストは約5％減少すると予測しています。
 
海南省は近年、新エネルギー車の開発を積極的に推進しています。  2019年3月、海南省政府は「海南省クリーンエネルギー車の開発計画」を発表しました。この計画では、2030年までに全島での新エネルギー車の使用を実現する予定です。
 
海南が自由貿易地域から自由貿易港に昇格することに伴い、新エネルギー車に関連する一連の促進政策が徐々に実施されてきました。 「ポジティブリスト」下の「ゼロ関税」に加えて、海南省はさらに、省内で新たに追加するすべての公用車を新エネルギー車に入れ換えることを規定し、これは実際に新エネルギー車産業の発展の促進に寄与するものです。
 
さらに重要な点として、海南省はクリーンエネルギーサプライチェーンの構築と新エネルギー車における今後の選択により多くの可能性を提供しています。 中でも水素エネルギーは海南省のエネルギー構造を調整するための重要な選択です。
 
水素燃料電池技術は、水素エネルギーを利用し，未来のエネルギー危機を解決する「最終手段」とされてきました。 水素エネルギーは他のエネルギーに比べて発熱量が高く，エネルギー密度が大きく，貯蔵と再生が可能で，汚染がないなどの利点があります。
 
海南省の良好な環境とクリーンエネルギー、特に水素の応用技術とのマッチングは極めて良好です。「海南省クリーンエネルギー車の開発計画」は“燃料電池自動車の総合応用環境配慮型建設を手配し、省内で先行して燃料電池自動車の発展を計画し、水素エネルギーのライフサイクル全体の応用に向けて、商業化運営総合モデル区の建設を指導し、省内の水素エネルギー産業の発展を推進する“ことを提示しました。
 
中国自動車技術協会の名誉会長付于武氏は、2030年までに中国の水素エネルギー自動車産業の生産額は1兆元を超えることが期待される、としています。

商業化モデルへの応用が多くの場所で開放されていることに伴い、水素燃料電池技術はその最前線にあり、海南省の水素エネルギーサプライチェーンの継続的な改善を促進します。
「計画」はまた、海南自由貿易港を中国の新時代における世界への開放をリードする鮮明な旗印及び重要な門戸として、海南と東南アジア諸国との交流と協力を強化することを明確にしました。
 
現在、海南省の新エネルギー車は東南アジア、中東、中南米に輸出されています。  2019年の海南省の総輸出額は343.7億元であり、そのうち、自動車及びその周辺製品の総輸出額は13.8億元です。 自由貿易港政策の恩恵を受けて、海南省は新エネルギー車の重要な「出口」になると期待されています。
 
海南自由貿易港は、中国のより高いレベルへの開放という使命を担っており、トップレベルの設計と産業政策の改善により、海南自由貿易港は中国の自動車産業のクリーンエネルギーへの変換に新たな機会をもたらします。