グローバル市場戦略において、均衡を図ることを強調してきたToyotaは、中国自動車市場に吸引され、心が偏り始めた。戦略資源の再構築やビジネスモデルの革新の凡ゆる所で、Toyotaは一層多く東に向きを傾げ、新しい道を模索している。リバランス後の長期目標は：中国を米国抜きの世界最大市場に育成することだ。
過去数年間苦心した結果、Toyotaはすでに初歩的な成果を遂げた。Toyotaは今年5月に、2020年度の年間利益を5199億円に設定したが、わずか半年後の2020年11月に、この目標を３倍増加の13000億円に変更した。収益拡大の理由について、Toyota自動車豊田章男社長は直言した：中国市場を中心に躍進した結果だ。
庚子年に引き起こしたパンデミックはグローバル自動車市場に深刻な打撃を与えたが、中国市場おけるToyotaの活躍は全く異なる状況だった。2020年が終わるまで後1週間足らずで、Toyotaは年初に計画した170万台の販売目標に達成した。市場専門家の見解によると、この勢いを続行売れば、12月31日に新年の鐘が鳴った時、Toyotaは180万台の目標を達するのも期待できる。
販売数量が市場平均を上回るだけでなく、経営の質も際立った、在庫指数とディーラーの収益性も市場平均を上回った。成長率8.5%の牽引によって、2020年にToyotaの中国市場占有率は2%上昇した。
大半の自動車企業が取る緊縮的な態勢とは異なり、中国市場のToyotaの二大合弁会社は、襷掛け懸命に取り組んでいる。FAW Toyota新エネルギー工場とGAC Toyota第5工場が連続に稼動すれば、同合弁会社はそれぞれ100万台の規模生産に達成でき、2022年には年間200万台の生産規模を突破する見通しだ。
今年2月、新型ウイルスが最も深刻した時期、一部のグローバル自動車企業の駐在員が身の安全を考慮して退避する時、Toyota中国会長上田達郎氏はToyota中国総経理前川智士氏と一緒に、700人余りの駐在員を率いて、日本から中国に戻った。最も危険な時期に中国へ戻る理由を尋ねると、上田達郎氏はこう語った；市場の最前線にいなければならない、死んでも中国で死ぬべきだ。
Toyota中国総括副総経理董長征氏は今年の業績について、中国市場の回復力、消費市場の確固な需要、産業チェーンの完備という3つの理由を挙げた。特に、政府の強力なパンデミック対策と社会各部門の支援を受けなければ、Toyotaはこのような成果を成し遂げなかったと彼は真心に語った。
2020年は年始から、“予想しなかったこと”が氾濫した。Toyota中国は組織形態と作業モデル、更にKPI評価目標まで、根本的に再定義した。
この変革はToyota中国の全員に関わる：従業員の50%は身分を完全に変えて新たな事業に飛び込み、残り50%の従業員は組織再構成して事業を拡大した。柔軟勤務制が導入されて以来、決まった仕事場はなくなった。“朝九晩五”で評価するではなく、新しいKPI評価体制に従って、Toyota中国の全員に新たな挑戦が提出された、同時に、Toyotaのグローバル改革の参考と基準として役立っている。
2020年、中国市場におけるToyotaの販売量は180万台が予測され、歴史的な突破を記録する一方、グローバル販売量は20%以下である。対照的に、HONDAのグローバル販売量の1/3、Volkswagenの約半分の販売実績は中国市場が寄与した。この観点から、Toyotaは中国を世界最大市場に育成さざるを得ない。
パンデミックの後半で激しい情勢の変化が続く中、グローバル自動車市場で唯一増量の余地が現れているのは中国市場だ。嘗て機先を制することができなかったToyotaは、もはや躊躇することなく、All inの姿勢で、中国市場を戦略的版図の最強な一環に構築する決意を固めた。（自動車人/管宏業）
