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RCEP提携後、日中FTAは必要か

自動車人 2020-11-19 10:20:00 著者:黄耀鹏

11月15日に正式署名されたRCEP(東アジア地域包括的経済連携)は、非常に意味深い。

RCEPは“最大の区域自由貿易協定”と呼ばれる。日本メディアは“アジア再創造”とコメントしだ。RCEPに署名した国には、ASEAN 10か国をはじめ、中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランドで、世界人口の29.7%、世界輸出額の30%、世界製造業の約70%を占めている。労働人口(15~64歳)が世界31.6%を占めていることを考慮すれば、将来の購買力はさらに期待される。
 

RCEP加盟国間の二国間貿易協定を観察すると、興味深い構図が描かれる。この内、ASEAN、オーストラリア、ニュージーランドは、各締約国と二国間FTA(自由貿易協定)を結んでいる。中国と韓国は、日本以外の国々と二国間FTAを持ち、中国と韓国間のFTAもすでに署名されている。この中で独特な存在は日本だ、日本は中国や韓国とFTAを結んでいない。

東アジア3カ国の自由貿易協定の交渉は不運であり、重大な瞬間を迎えるたびに予期しない事故が発生するのは周知の事実だ。農産物関税に対する日本の執着が、他国とのFTA締結を防げているという人もいる。

これは客観的ではない。オーストラリア、ニュージーランドはどちらも農産物輸出大国であるが、日本とのFTAを締結した。日本はEUと米国とも、2018年と2019年にそれぞれFTAを締結した。FTAのフレームワーク内では、農産物は段階的な譲歩、割り当て、免除などの条件について話し合うことができる。東アジア3カ国間のFTA締結を妨害しているのは米国だ。
 

米国が孤立主義に陥った場合にのみ、日本は多国間フレームワーク下で、中韓と合意に達することができる。従って、RCEPは実質的に変則的な中日韓FTAだという見方も、間違った話ではない。

現在、RCEP協定文書は機密だ。中国と日本の間で交渉される多くの品目の最終関税率は明らかにされていない。確認されたのは、日本から中国に輸出される“大多数”の完成車は協定の対象外であることだ。RCEPフレームワーク中では、日本製2.5L以上の高級乗用車に対しては、協定実施の初年度から関税を15%に引き下げ、今後20年間15%を超えないことを中国は約束した。しかし、日本工業製品の86%は無関税で輸出でき、ほとんどの自動車部品が含まれている、これは日本の部品メーカーだけでなく、第三国の部品メーカーにも有利に作用し、両国間の生産能力の再配置や移転の実現に役たつ。
 

現在、日中は二国間FTAがなく、相互関税の“撤退率”は8%に過ぎない。RCEPフレームワーク内では、第一段階に工業製品の86%が完全免税になるレベルだ。

この比率は、日本とEU及び米国と締結したFTAの比率より低いレベルだ。日本とEU間FTAには、日本自動車に対した10%関税を撤廃する同時に、ほとんどの自動車部品に3%関税を課することにEUは同意し、日本もそれに相応する比率を撤廃した。日米FTAは、米国完成車の輸出は免税の一方、日本から輸出される自動車に対して2.5%関税を課すが、“最終的に”ゼロに引き下げると米国は約束した。また、日本自動車部品は課税されるかどうか、将来的に“追加課税”をしない保証はFTAには言及しなかった。そのため、日本野党はこのFTAを不平等な合意だと批判した。

RCEPフレームワークには、日米FTAのような裏口がないのは日中間合意の優れた所だ。RCEPルール内で両国が追加的な関税処罰を実施することを許可していない。このことは、日米合意より安心できるポイントだ。

日本がこの経済圏に加入に決意したのは、現実主義的な態度によるものだ。政治的訴求は経済的利益に道を譲らなければならない、後者は最早戦略的立場に引き上げられた。日本とインドは異なる立場と情勢であり、前者は自ら西太平洋経済圏外止まることを決して望んでいない。
 

RCEPが署名された以上、日中FTAの稼動の必要性はあるか。そして、東アジア3カ国のFTAは再開する必要性はあるか。答えは明白だ。RCEPは両国FTAの必要性を弱めた、唯一例外の場合は、RCEPより高いオープンレベルを提示する時だ。また、中韓FTAの締結は、東アジア3カ国のFTAは数年以内に再開しないことを示した。

中国は今年中に中欧投資協定交渉(非FTA)を完了すると報告されている。RCEP締結に対して、EUは緊迫感を感じるかどうかは分からない。しかし、投資協定はFTAの“前身”協定であり、締結されると、中欧FTAの実現可能性を意味する。数年前に、米欧によって棚上げされたTTIP(環大西洋貿易投資パートナーシップ)とははっきりした対照だ。

現在、WTOフレームワークは“腰抜け”状態にある。表には裁判委員会のメンバー不足問題に見えるが、事実上、米国が始めた一連の貿易戦が、WTOシステムを無残に踏みにじったものであり、WTO判決の権威に異議を唱えたものである。この背景の下、国際貿易システムの構築焦点は、地域システムに転換される。RCEPに参加した中国は(中国はRCEPの主導者ではない、名目上の発起者はASEANだ)、米国とのいかなる貿易紛争でも自信を持って対応していくだろう。ASEANが中国の最大貿易パートナーになったことがその証拠だ。(自動車人/黄耀鹏)

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