今年上半期に、パワーバッテリー市場はウイルスの影響で曾てなかった変動が起きた、供給と販売に関するデータは通常値を外れ、6月末まで影響は続いた。その後、通常に戻ってきた中国市場は、2019年と比べて、10月の市場数値には人々を不安にさせる傾向が現れた。
10月、中国のパワーバッテリー生産量は47.9%増の9.9GWhで大幅向上した。その中で、三元リチウム電池は5.5GWhで56%を占め、LFP電池は43.8%を占め、後者は前者の78%に相当する。10月の総搭載量は5.9GWhで、生産量の60%に過ぎない。10月は在庫補充の期間だったことは明らかだ。
搭載量に関しては、三元リチウム電池とLFP電池の割合は10:7だ。生産量よりやや大きいギャップは、在庫補充の観点から、LFP電池の伸び率は三元リチウム電池より高いことを示している。これらの数値は、完成車メーカーがLFP電池の搭載量を増やしていることを意味し、現時点はまだ三元リチウム電池ほどと達していないが、来年はさらに発展して、三元リチウム電池と勝負する機会になるだろう。
10月、五菱宏光MINI EVとTesla Model 3の生産台数はそれぞれ23742台、22929台の記録で、上位2位を占めた。重要な変化点としては、Tesla Model 3はLFP電池対策に基づいて大量生産を始め、宏光MINI EVやBYD HanもLFP電池を採用した。こうなると、LFP電池の全体的搭載量はまだ半分以下だが、すでに市場の先頭を走っていることがわかる。これはLFP電池の在庫補充伸び率を示すデータとも一貫する。
今年1月から10月までの累積搭載量の観点から、CATLは19.8GWhで49.4%を占め、BYDは5.88GWh（14.7%）、LGは3.26GWh（8.1%）、 CALBは2.12GWh（5.3%）、Panasonicは2.04GWh（5.1%）の順だった。CATL の累計搭載量は2位から10位までの合計に相当するボリュームだ。
グローバルな観点から、LG化学の最大取引先はTesla（23%）、その次はRenault （18%）、Hyundai（14%）、Audi （10%）があり、その他の取引先は何れも6%以下だ。取引先の多様化と市場の広範さに置いては、LGは依然として優位に立っている。しかし、中国市場では、継続的にCATLに圧倒されている状況だ。
CATLの二点攻略と対照的に、LG、Panasonic、三星SDIなどの日韓を代表する企業は、資産を三元リチウム電池一点にかけている。高ニッケル、大容量、ビスケット缶などが徐々に適用することで、三元リチウム電池の安全性は益々改善され、この方向には依然として大きな可能性がある、今は一時的の挫折に過ぎない。したがって、勝敗を語るのは時期尚早だ。
ただし、短期的な傾向は明確化された、ここ2ヵ月間、TeslaはLGとPanasonicへの受注を削減したとこは、来年の上海工場の生産能力拡張計画に反する事態だ。
欧州のウイルス冬季再発事態が抑えれば、抑制されてきた欧州新エネルギー成長曲線も急激に高まるだろう。しかし、新エネルギー電池は生産してからすぐ納品することがほとんどだ。したがって、中国で減少した受注を欧州需要でカバーしようとしても、生産能力の移転は不可能だ。CATLとBYDの中国における圧倒的な優位性につれ、LFP電池対策が欧州現地の完成車メーカーに受け入れられるかどうかは、日韓バッテリーメーカーの最も心配する事だ。
今年10月には、 喜ぶも企業がいれば、悲しい企業もいる。急速に変化する情勢こそが一番驚くべきことだ。（自動車人/黄耀鹏）
