中国自動車工業協会のデータによると、中国自動車の10月販売量は257.3万台に達し、前年比12.5%増加した。1月から10月までの累積販売は前年比-4.6%の1969.9万台を記録した。先月時点-6.9%だったこの数値が、僅か１ヶ月で2.3%縮小した。11月と12月にも同等水準の勢いを維持できれば、今年の販売量がプラスに転じることは可能だ。業界全体にとって、人心を奮い立たせることになる。
2020年10月、中国乗用車の卸売販売量は211.0万台で、前月比及び前年比を上回る成長を遂げた。この影響を受けて、今年1月から10月までの乗用車の累積販売伸び率は-9.9%で一桁台に縮小できた。
10月のデータで9月を言及する理由については、毎年最後の4ヵ月は下半期の販売ピークであり、各ブランドが年間目標を達成するに最も重要な4ヵ月である。2020年度の自動車販売が昨年を上回るかどうかは、この4ヵ月のパフォーマンス次第だ。
10月は前年比12.5%増加となっているが、9月の12.8%の伸びよりはやや悪い。ただし、重要なのは、乗用車の10月販売量は前年比9.3%増加となり、9月の8%より上昇した。特にセダンでは、9月の3%伸びを上回り、10月では5.6%増加となった。データのギャップは最終的に商用車によって生じた、9月には前年比40.3%だった商用車の伸び率は、10月で10%急減の前年比30.1%となった。
当期の商用車上昇ピークは完了したと《自動車人》以前の記事により警報を発したことがある。商用車販売の伸び率が急速に落ちていることは10月のデータで明らかになった。
新エネルギー自動車は爆発的な急成長を遂げている。新エネルギー車の10月販売は前年比104.5%増の16万台を達した。今年1から9月まで、中国新エネルギー車は前年比-17.7%を記録したが、10月の販売量によって、ギャップはすぐに10%縮小の-7.1%となった。従って、中国新エネルギー車は、今年の販売低迷な状況に足留めず、一躍トップに躍り出って、年間販売のプラス転換が予想される。
自動車の月別販売の伸び率曲線を確認すると、今年5月から10月までの半年間の成長曲線は実に安定的であり、強力な市場容量と強靭力を示した。
乗用車の月別販売の伸び率曲線の変動性は次第に低下していると同時に、徐々に高まる傾向を表し、市場が安定的に改善していることを示した。
トラックの10月販売量は、月別基準で7回連続最高値を更新した。しかし、過去と異なって、伸び率は大幅に鈍化しており、特に小型トラックの伸び率は急速に低下し、大型トラックのボリュームは依然として上昇するが、伸び率の減速傾向は顕明だ。
図に示したように、2020年9月と10月の新エネルギー車の月別販売量は、2018年同期と非常に似ている、10月は特にそうだ。今年10月が前年比100%以上の伸び率を達成したのは、昨年の10月が旧正月の連休以外の最も低調だった月であったうえ、昨年の低いベースにより、今年10月には驚くべき伸び率を記録した。そして、予想外の事が起こらない限り、2020年の新エネルギー車販売は昨年を上回る可能性が非常に高い。最も注目に値するのは12月のデータだ、何と言っても、2019年12月の販売好調は事実であり、今年の末はどの様な成果を達成できるかは楽しみだ。
中国ブランドの乗用車市場占有率グラフに注目しなければならない。中国ブランド乗用車の10月販売量は前年比12.4%増の86.9万台を達成し、最新の市場占有率は1.1%上昇の41.2%となった。2020年10月の自主ブランドの市場占有率は2019年10月を追い越し、2018年同期と同じレベルとなった。過去5ヵ月間、中国ブランドの乗用車市場占有率は急速に向上しており、2020年度中国ブランドの乗用車市場占有率が昨年を上回り、プラスになり得るかどうかは同じく関心事だ。
今年1月から10月まで、中国ブランド自動車販売の上位15社を図に示した、何れも自動車トップメーカーであるが、差別化の度合いは深刻だ。成長を遂げた企業のほとんどは二桁成長を達成し、二桁成長を遂げた乗用車メインのブランドは長安とFAWだけだ。NIO自動車と小鵬自動車の販売量は、其々JACと海馬に含まれており、個別の統計はされていない。
要約すると、10月の自動車市場は9月の強い勢いを続けており、乗用車はさらに成長した一方、商用車の伸び率は大幅に低下した。新エネルギー車は抜群的に100%超えの伸び率を記録し、年間プラス成長を本格的に宣言した。乗用車及び中国ブランドが今年でプラス成長を遂げるだろうか。チャンスはあるが、最後の2ヵ月間のパフォーマンス次第だ。（自動車人/張恒）
