自動車人/管宏業
TOYOTAは11月1日からスポーツブランド“GR”を中国市場に導入すると発表した、GRブランドのフラッグシップモデルであるTOYOTA SUPRAも同時期に発売される。
Benz AMG、BMW M、Audi RS/Sシリーズに続き、オリジナルパフォーマンスを体験できるスポーツブランドにおける中国消費者の選択肢に、東洋文化のコンテンツが追加された。
ドイツ系スポーツブランドに比べると、GRは後発者だ、しかし、深い歴史的背景につれ、TOYOTA自動車社長豊田章男氏の知られていない物語があった。
“GR”は“GAZOO Racing”の略字だ。20年以上前、豊田章男氏が課長を務めた頃、ディーラーの中古車販売支援を率いた当時は、インターネットが今ほど発達しておらず、売り手と買い手は沢山の時間と労力を必要とした、そこで、豊田章男氏が “浪費”を敏感に感知し、改善を決心した。彼は“中古車画像販売システム”を創造的に構築し、売買効率を高めることに成功した。
GAZOOは、日本語で“画像”の発音から取られ、この“中古車画像販売システム”は“GAZOO.com”と名づけられた。この名称とともに、豊田社長の挑戦精神がGRブランドの原点となった。
数年後、TOYOTA役員となった豊田章男氏は、ある時車両評価中に、当時TOYOTAのチーフテストドライバーであった成瀬弘氏から批判を受けた。成瀬氏氏は“あなたのような運転すらできない人は、車作りに関して勝手に意見を言うな"と叱った。” 豊田章男氏はこの言葉に刺激を受け、成瀬弘氏に師事し、好きだったゴルフも辞めて、運転技術の練習に余暇の時間を費やした、最終的にトップレーサーになった。
挑戦精神が貫き、“GAZOO Racing”は成長を重ね続けた。2015年にTOYOTAはモータースポーツの関連事業を全て“TOYOTA GAZOO Racing”に統合した。2017年に“GAZOO Racing”が正式に設立され、“Powertrain”、“Connected”と並んでTOYOTAの8大社内組織もなり、“GR”ブランドの量産車種の企画、研究開発、生産、サービスなどを総括した。
GRは発足から間もない期間で、グラウンドで多くの栄誉を授かった。Gazoo Racing Le Mansチームは、24 Hours of Le Mans LMP1レースで3連勝を収めた。Gazoo Racing WRCチームは、2017年にWRC世界ラリー選手権に復帰し、翌年に製造会社チャンピオンを獲得した。今回、世界最大の自動車市場である中国進出も、このような抱負が確信されている。
今回、中国市場に導入するTOYOTA SUPRAは、1978年誕生以来一貫して維持してきた優れたスポーツ遺伝子に、直列6気筒エンジン、後輪驅動のデザインが加え、開発ポイントに“ホイールベース”、“トレッド”、“重心高”の3つの基本要素にこだわり、TOYOTAのフラッグシップに適合した純粋なスポーツモデルとしてのパフォーマンスとデザインを実現した。
2020年にGRブランド及びSRPRAスポーツカーの導入は正に良いタイミングだ。今年前の3四半期に、TOYOTAの中国累積販売台数が126.24万台に達し、前年比6.9%増、目標達成率71.73%を記録した。成長率と目標達成率は、何れもグローバル自動車企業メーカーの中で1位を占めた。世界最大自動車市場の高性能レースに乗り出す瞬間をTOYOTAは矢も盾もたまらない。