自動車人/黄耀鹏
10月17日、CATLは“パワーバッテリー国際サミット”で、バッテリー設計技術をCTPからCTCへの変革を取り組むと発表し、2030年に実現予定だ。
Muskの“構造バッテリー”は、CATLのCTCと似ている、バッテリーをシャーシ構造の一部として推進し、シャーシのストレスを一部引き受ける発想である。こうする事で、構造鋳物の重量と体積が節約され、別の形でエネルギー密度が向上できる。欠点も明らかだ。バッテリーの熱伝達が複雑になり、バッテリー構造に機械的ストレスが掛けられ、バッテリー換装ができないため、車体寿命以上のバッテリーの寿命が求められる。
Muskの主張では、バッテリーコストが1kW·h当たり56%削減されると、航続距離は54%向上し、生産コストへの投資は69%削減できる。CATLの場合、エンジニアリング的な発想であるため、先行きが良好、ルートが明確で、実行力も備えている、解決すべき問題はバッテリー技術以外の所だ。
電気化学分野において、Teslaは主にサプライヤーとパートナーに頼る。BatteriesとPackデザインが益々セル技術に依存する中、セルサプライヤーはチャンスを狙って、主導権を掴むのではないか。Teslaの懸念は理解出来なくもない。
従来の方法は、いくつかのバッテリーcellをBatteriesに形成し、いくつかのBatteriesをバッテリーPackに構成する。2019年CATLのCTPは、Batteriesをスキップして、単体をcell to packに構成する仕組みだ。
今年、CATLが提案したCTCは、即ちCell to Chassisを意味する。BatteriesとPackをスキップして、何らかの方法でシャーシの'安全エリア'に直接取り付ける方法だ。Pack構造物の制約がないと、バッテリー単体がある程度のストレスを耐えなければならない。つまり、円筒型やソフトパック型バッテリーではなく、四角形バッテリーの採用が必須となる。
CATLが新たに提案したCTCは、CTPの延伸或いはアップグレードではない。両者は、テクノロジーとビジネスモデルで、大きな違いがある。Packがスキップされ、その中の耐荷重鋳物がなくなり、バッテリーに荷重されるストレスを如何に回避するかが問題となる。Teslaのやり方はシンプルで乱暴だ——シャーシを3つに分け、前後のコンポーネントは一体でダイカストし、バッテリーがある中間部分は別に鋳造した後、バッテリーを充填する。
従来はバンパを変えて済む小さい衝突でも、コンポーネントを変えなければならない事になる。生産側がコスト節約を実現したとしても、顧客側は同意するでしょうか。さらに重要なことは、Teslaは詳細について公開せず、スケジュールも不透明で、実現方法が理解出来ない事だ。
これまではサプライチェーンの安定性を直視しなければならない技術はなかった。バッテリーセルをシャーシに適合させると、モーター、電気制御、高圧DC/DC、熱管理システムを一体に統合する事になると、セルサプライヤーは間違いなく半分以上のインテグレーターの役割を果たす事となる。自動車企業の立場はどうなるのか。
EV時代の技術進化は、“ルール破壊者”が勝ち取るため、相手のビジネスに手を出し奪い合うことは、産業チェーン全体の協力基盤を揺らぐこととなる。これは大問題だ。
シャーシに直接バッテリーセルを取り入れることについて、誰がリードするのか。これは、誰が先にエンジニアリング技術で突破的な進歩を遂げるかに関わる、勿論、自主的な飛躍が必要だ。この観点から、CATLとTeslaがバッテリー構造の革新を相次ぐ発表する事も、依然として産業チェーンの主導権を争う背景が存在する。